ARTICLE
対談コンテンツ

- 根岸
- なぜ、チームコーチングに乗ったのかというと、まずやってみたことがなかったということ。
個人もチームも、どうなるか分からないけど変えなきゃいけない。その中で僕が何を思っていたのかというと、あるひとりが劇的に伸びてもチームは伸びないということです。個人が1人ひとり頑張るのは当然ありつつも、その頑張り方の足並みうをうまくそろえないと、多分パワーは出なくて。僕のイメージで言うと、昔の巨人軍のチームの作り方があります。ホームランバッターをいっぱい買ってきて1番から9番までホームラン打てるけど、打線にはなりませんっていう。
でも、篠塚がヒットを打って出て、川相がバントをして、原辰徳がツーベースで返す。そして、クロマティがホームランで一掃させる、みたいな「チームとして機能させるやり方」って、ホームランバッターを9人そろえることではない。それぞれがベンチプレスで鍛えてマッチョになることでもない。一緒の場で、打線をつなぐチームとして機能するには、変化をさせていくことが大事だと思っていたので。だから、始めるきっかけは秋好さんですけれど、参加しますと言ったのは、そういうきっかけですね。
- 本多
- なるほど。ありがとうございます。
- 角中
- 素晴らしいですねえ。
- 秋好
- みんなの語彙力も、すごいね。
経営チームコーチングを始めた半年前と今の比較
- 本多
- 経営チームコーチングは半年間という時間の中で行ないました。間隔でいうと、月に1回、1回最大2時間っていう枠を用意して、場所はずっとここ(ランサーズ本社会議室)で、この6人で話してたっていうのが外枠。その中で、チェックイン(※)して、お互いの変化、進化を語り合う。あとはチームとしての変化、進化を語り合う。それぞれの個人がせっかく変化しているなら「それを認めることで加速していく」という仮説に立って、どんな変化をしているかっていう目撃情報をシェアしているという、そんな時間でした。
(※)チェックイン:コーチングセッションの開始前に、今感じていること、コンディション、気になっていることを参加者にシェアすること
- 曽根
- あとは大きな経営チームとしての課題を、本音ではどう思っているのかというところ。そこは何回か議論した覚えがあります。
- 秋好
- ああ!
- 足立
- その話はしたな。
- 本多
- あとは、お互いの評価に対して、どんどん正直になっていった感覚があったかな。「どう思ってるの?」って僕が振るからね。みんないい人だから、ちゃんと答えてくれて。
では、半年前、その当時を振り返りたいということで、半年前のことを忘れている人もいると思い、これを持ってきました。(用紙を取り出す)半年前に作ったペーパー上のコンステレーションです。紙の上に自分たちを表現したものですね。紙の左側には、半年前の時点で今をどう認識できているのか。右側は、半年後、どうなっていたらいいか。%が書いてあるのは、半年前時点でのチームとしてのパフォーマンス発揮度合を数字で表したもの。それぞれ、表現してくださいとお願いしました。さらに、時間軸は限定せずに、「こうなったらいいな」というビジョンを言葉で書いて下さい、とお願いしました。
さて、これを見て、何を思い出しましたか?半年前の自分たちはどんなふうだったという認識でしょうか。
(しばしの間、全員深い沈黙)
- 曽根
- 半年前は、個人の能力が十分に引き出されていない結果、合同としてパフォーマンス最大化ができていない状態だったと感じていました。
それに対して、ビジョンとしては、「目線が合っている」、「共通価値観」、「お互いに力を引き出し合っている状態で、結果としてメンバー全員から、ケイパビリティ(組織の全体的な能力)が引き出されている」と書いていてあります。見ながら今、思い出しました。
- 本多
- なるほど。ありがとうございます。
- 足立
- 僕は、半年前はしんどかったな、ということを思い出しました(笑)。で、当時と今と、何が違うんだろう?と考えた時に、圧倒的にプレイヤーをやらなくなった、ということがあります。
あの時は、「どうやってプレイヤーをやりながらマネージメントをやる? 人間は24時間しか時間がないんだから無理に決まってるだろ!」というような状況でした(笑)。それを、スパッとやめた。辞めたのが今。それが、大きな違いだなと思いました。
- 根岸
- 当時、「自分の役割はなんだ?」と考えた内のひとつに、「CEOとCOOの支援」と書いたことがあったんです。
それは取締役のやることではないし、秋好さんから期待されている事ではない、ということはわかっていたんですけれども、誰かがやらないといけないと思っていたところがあったんですね。
- 本多
- ああ、言ってましたね。
- 根岸
- でも今は、それはないです。支援とか、サポートという感覚はない。そこは変わったと思います。
- 本多
- おお。素晴らしい。ありがとうございます。
- 秋好
- 半年前は、視界がすごく狭かったですね。渋谷の街を歩いている感覚でした。つまり、すごいスピードで動いているけど、目の前しか見てない。
- 本多
- はい。
- 秋好
- 今は、軽井沢にいる気分。
- 一同
- 大笑い
- 秋好
- どういうことかっていうと、同じ視界でも、俯瞰してすべてが見えている感じです。人が何かを言っているときにも、それだけを聞いていないというか。言葉の表面だけを聞いているんじゃなくて、もうちょっと奥にある全体から俯瞰して見ている。この人はこう言っているけれども、その奥の市場の構造はこうなっている、みたいなことが見えるというか。ワイドアイ的な視野の広さがあります。
でも、個人の成長と、組織・チームの成長という意味で言うと、組織の方が速い。僕個人を含めてね、本質的には個人としては、そんなに変わっていないと思います。いや、変わっている部分もあるんですけど、まだ枠組みに当てはめている感じがするので、これからもう少しなじむといいなと思いましたね
- 本多
- なるほど。ありがとうございます。
- 角中
- 素晴らしいですね。
BACK NUMBER